1969年を彷彿とさせるグリーンの文字盤ほど、2021年らしいものはないのではないか?
我々が知っていること
2019年に発表されたグラスヒュッテ・オリジナルのSeaQは、1969年に導入された同社のダイバーズウォッチ「Spezimatic Typ RP TS 200」からデザインのインスピレーションを得たモデルだ。60年代後半のスポーティなスキンダイバーのフォーマットと、ドイツの時計製造におけるグラスヒュッテ・オリジナルのエレガントなアプローチを融合させた、ヴィンテージスタイルのラグジュアリーなダイバーズウォッチである。
グラスヒュッテ・オリジナルの「スペシャリスト」ラインのベースとなっているSeaQコレクションは、いくつかのバージョンを経て拡張されてきたが、2021年に入ってからは、グリーンダイヤルバージョンが発表された。ベゼルもグリーンのセラミック製で、スティール製ブレスレット、ラバーストラップ、ナイロン製ストラップの3種類が用意されている。
ケース径39.5mm、厚さ12.15mmのSSケースを採用したSeaQは、様々な人の手首にフィットするサイズでありながら、ダイバーズウォッチとしての機能も備えている。200m防水、クローズドケースバック、ねじ込み式リューズ、逆回転防止ベゼルなど、スポーティな要素も充実しており、デイリーユースのスポーツウォッチとしても最適な仕上がりだ。
この価格帯とブランドを考えると、SeaQにグラスヒュッテ・オリジナルの自社製自動巻きムーブメントが搭載されているのは当然だ。Cal.39-11と名付けられたこの自動巻きムーブメントは、4Hzで時を刻み、約40時間のパワーリザーブを備えている。ソリッドケースバックであるため、同社の時計によく見られるムーブメントの精巧な仕上げを見ることはできない。
現在のトレンドに合わせてカラーを変更しただけではあるが、SeaQはグラスヒュッテ・オリジナルのラインナップでも、スポーティで優れた外観を持っている。グリーンのバージョンは、ラバーまたはシンセティックストラップで115万5000円(フォールディングバックルは3万3000円追加)、SSブレスレットで126万5000円だ(すべて税込)。
我々が思うこと
ドレッシーなデザインで知られるグラスヒュッテ・オリジナルにとって、SeaQはよく知られているスキンダイバーの構成を介して、ブランドの過去から引き出されている。セイコーのSBDX019(および2017年以降に発売されたいくつかの類似モデル)とは異なり、SeaQは一般的なヴィンテージ・ダイバーズウォッチの外観と雰囲気を維持しつつ、グラスヒュッテ・オリジナル由来の現代的なディテールと仕上げが施されている。
ロレックス サブマリーナーなどの大物モデルと同程度の価格で販売されているSeaQは、スキンダイバーズのシルエットをアレンジしたもので、より控えめなモデルを探している人や、グラスヒュッテ・オリジナルを愛しているが、セネタ・トゥールビヨンやパノリザーブよりもスポーティなモデルを求めている人に向いていると思われる。
SeaQの実物をまだ見たことはないが、紙面上のサイジングは完璧で、ディテールもやりすぎず、考え抜かれたものになっている(シンセティックストラップは言うまでもなく)。また、60年代後半の雰囲気は、1969年当時と同様に一般的なものかもしれないが、だからといってその魅力が失われたわけではない。